涙色のパラドックス

日々のダラダラ雑感をあなたの暇つぶしに添えて

教科書、落書き、また勉強しなおせるなら

 

 

僕の家の無駄に広い廊下の一角には、ガラスのスライドドアが付いた、大きな古い本棚が置いてある

 

元々は本好きの祖父が使っていたものだったらしいが、家族のみんながもう読まなくなった小説や参考書、旅行のガイドブックの類なんかをいつからかそこに突っ込み始め、最近では海外ドラマのDVDなんかも本に交じって並んでいる雑多な棚になっていた

 

そのオールジャンルなんでもありの本棚の一角、ギチギチに詰め込まれた料理のレシピ本の合間に、見覚えのある、僕が昔小学校の時に使っていた国語の教科書が収められていた

 

こんなもの誰がどこから拾ってきてここに収めたのだろうか

 

まぁこういうものってなんとなく捨てづらいというのは分かるが

 

僕はその教科書を力づくで引っ張り出し、なんとなくパラパラとめくってみた

 

字が大きく、ひらがなばかりで読みやすい

 

ページをめくり、挿絵付きのお話の数々を見ていると、とっくの昔に時のかなたに消え失せ、忘れてしまっていたと思っていた、この教科書を使って授業を受けていた当時の記憶がうっすらと蘇ってきた

 

懐かしいなとノスタルジックな感情が湧いてきて、時間も忘れ当時の教科書を眺めていたが、さっきから一つ気になることがあった

 

 

(´・ω・`)き た な い

 

 

 

(´・ω・`)この教科書、メッチャきたない

 

 

 

この教科書がもうかなり昔の物で経年劣化が激しいとか、なにかの得体のしれないシミがついているとか、そういう汚さではなく、落書きだらけできたないのだ

 

余白はもちろん、教科書の表紙や背表紙までありとあらゆるところに余すことなく落書きがしたためられていた

 

当時好きだった漫画とかゲームのキャラクターに、あとなんかやたらドラえもんが描いてあるぜ…

 

 ははーん、さてはこのガキ、まったく勉強する気がないな?

 

実際、僕の当時の学校の成績は「お察し」と言った感じだ

 

小学校当時の僕は教科書を落書きをするものとしか思っていなかったらしい

 

いや、多分、中学校の時の教科書も高校の時の教科書も同じように落書きだらけだったと思うから、僕は学生時代を通して教科書を「落書きをするもの」としか認識していなかったのだろう

 

そういえば、クラスの女子のとても綺麗に使われている教科書を見て「なんでそんなきれいなんだ?」と僕は摩訶不思議に感じたことがあったのを思い出した

 

一通り教科書をパラパラと眺め終わってから、僕は苦笑いをしながら心の底から当時の自分に

 

「勉強しなさいよ…w」

 

と、そう思った

 

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学校に通っていた、学生の、十代のころの僕に今の僕が

 

「もし学生のころに戻れるのなら、真面目に授業を受けて真面目に勉強する」

 

と言っても、驚き、金星人か何かを見るような目で今の僕を見て、とても信じないだろうか

 

 

 当時の僕がどんな顔をしようと、今の僕は学生時代と言う社会に出るまでの「猶予期間」がいかに貴重な物だったかを知っている

 

というか、大人はみんな知っているだろう

 

 だから大人は子供に、月並でも「勉強しなさい」と言うしかないが、しかし、それが子供に伝わることは、あんまりない

 

僕にはまだ子供はいないが、もし子供ができたらあんまり意味がないと分かっていても、やはり「勉強しろ」と言わざるを得ないのだろう

 

実際にもう一度、一から勉強しなおし、 やり直す機会があるとしたら今とは全く違う人生があったりするのだろうか

 

キチンと勉強することによって将来の選択肢を広げ、自分でも知らなかった自分の可能性を発見できたりするのだろうか

 

わからないが、自分が真面目に勉学にいそしんでいる姿というのはどうも想像しづらい

 

 真面目に勉強して学力を身に付け、いい学校に進学できたとしても、結局のところ僕は僕以上でも僕以下でもないので、なんだかんだ今と大して変わらないところに収まるような気がしないでもない

 

それに、いい会社に入るには学歴が物を言うかもしれないが、そこから魔境ともいえる社会で生き抜いていくためには、授業では教えてくれない学力とは別の図太さとかしたたかさと言った処世術の方が重要な気もする

 

 まぁ、なんにせよ、今の人生が自分には分相応で、成るべくして成ったものなのだろうなぁというあきらめに近い納得もあるので、本気でもう一度勉強してやり直せたらと切望しているわけではないが、でも本気で勉強しなおしたら、単純に自分の学力は実際の所どの程度で、どこらへんまでいけるのかというのには興味があった

 

 凡才でも意識を変えて本気で勉学に打ち込めば、そこそこの大学に行けたりするだろうか

 

壊滅的に苦手だった数学も一からやり直せばもう少しマシになるのかなぁ

 

(´・ω・`)僕、ずっと数学のルートをなんか強そうなすごい割り算?とかそんな感じのものだと思ってたんだよなぁ

 

(´・ω・`)まぁ、今もぶっちゃけそう思ってんだけど

 

 

僕は落書きだらけの教科書を本棚に戻した

 

戻したっていうか、元々本がギチギチに詰め込まれていて元の位置に戻らなかったので、適当なスペースに放り込んで、知らんぷりをした

 

 

 そういえば学校のクラスメイトには、「学生の本分は学業!」と無知な子供のうちからちゃんと理解しているかのように、授業中に居眠りも落書きもせず、真面目に授業を受けている優等生が何人かいたが、彼らは人生二週目のやり直し組だったりしたのだろうか

 

 

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