涙色のパラドックス

日々のダラダラ雑感をあなたの暇つぶしに添えて

六尺、役回り、コロナ禍のお葬式

 

町内の同じ班で葬式が出たので葬式での役割を決めるために話し合いが行われた

 

何日か前に救急車のサイレンが近所で鳴り響いるのを聞いたので誰かが倒れて運ばれたのかなと思い「これは葬式が出るかもなぁ」と思っていたが案の定だった

 

高齢のじいさんばあさんが多いからなこの辺は・・・

 

同じ町内だと言っても全ての人と面識があるわけではないので亡くなった方の名前を聞いても正直誰だかピンとこなかった

 

公民館のホールに行くとコロナ禍でみんな距離を開けて座っていた

 

ぼくも同じように他と距離を開けて座り、少しすると頃合いを見て話し合いが始まり葬式の算段について説明された

 

コロナ禍での葬式はどういう風になるのだろうと疑問に思っていたけど、どうやら3密を避けるためにかなり簡略化されて行われる様だった

 

通夜も葬式も、弔問客は受付を済ませ焼香を終わらせたらそのまま解散という流れになり、後は身内だけのごく少人数で済ませるのだという

 

なので葬式が出るたびに町内の同じ班だと色々と役回りがあるのだが、今回は葬式が簡略化され色々カットされているのでほとんどの役回りは必要なく、最低限必要なのは受付と六尺という役だけだった

 

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受け付けは弔問客から香典を受け取り台帳に記載する係で、六尺は僕も詳しくは知らないが出棺の際などに棺桶を運ぶ係がこの六尺という係であり、とにかく棺桶を運ぶ手伝いをするのがこの六尺という係だ

 

他にも墓の掃除をさせられたりと六尺はいろいろとめんどくさ・・・やることが多いのだ

 

受付も六尺も基本的に男が担当する役回りだったが、僕は前回の葬式で何の役回りも無かったにもかかわらず、仕事を抜けられず代わって欲しいという人の代わりに仕方な・・・殊勝な態度で快く役回りを交代して役をやっているので今回は何もないはずだ

 

コロナ禍で正直無駄としか思えない行程が色々省かれているので今回はパッと焼香をあげてそれで終わりだなと僕が勝確みたいな顔をして悠々と座っていると班長

 

「では今回は六尺は〇〇〇さん(僕の名前)お願いします」

 

と言った

 

 

!?

 

 

いや・・・

 

 

いや・・・何言ってんだおめぇ・・・

 

 

僕は目を丸くしながら話の流れを見守ったが、僕が六尺をやるという流れで話はどんどん進んでいく

 

あれ・・・僕が何か勘違いしているのだろうかと少し考えたがそんなことはないはずだ

 

六尺はめんどくせぇ!という思いと不当な何か感じて僕は話を遮り抗議をして「僕は今回やる必要はないのでは?」と説明をした

 

すると「順番がずれた」だとか「順番が繰り上がった」だのとその場にいた人たちが各々自分のよくわからない意見を発言して場は混乱した

 

しばらくどうにも噛み合わない議論をしたが、らちが明かないのでそれまで誰が何の役回りを今まで受け持ったかを記録した紙を持ってきて確認すると、記録はなんかゴチャゴチャですっごい分かりづらかった

 

そのゴチャゴチャした記録を読み解きもう一度確認して話し合った結果、結局班長の勘違いだということが分かった

 

なんという無駄で愚かな時間・・・

 

 

つまり、

 

どういうことかというと、

 

みんなよくわかっていないのだ

 

 

みんな誰が、何を、いつ何回やったかなんて把握できていない

 

適当なんすよ・・・

 

回ってきた役回りを「あーはいはい」と適当に何も考えずこなしているだけなので、記録もなんか適当になるのだ

 

そしてよく分かっていないのにみんな適当に自分のもっともらしい意見だけは主張するので場が無駄に混乱するという地獄絵図・・・

 

危ない所だった

 

キチンと声を大にして発言していなければめんどくせぇ六尺をやらせられるところだったぜ・・・

 

やはり自分の権利を守るために時には同調圧力を無視し発言しなくてはならない(キリッ

 

 

しかし、よくよく考えてみると葬式自体が簡略化されているので六尺の仕事自体もかなり簡略化されているのだ

 

なら今回六尺をやってしまったほうが次回回ってきた時やるより全然楽なのでは・・・?

 

僕の頭にそんなセコい策略が沸いてきて、終息に向かっていた話し合いの場に

 

 

「あー・・・でも六尺は今回やってもいいですよぉwまた順番いじるのもアレだしぃ・・・」

 

などといった発言をしたが

 

「いやでも今回でちゃんと足並みそろえてもう一度順番を整理したいので今回はいいですよ!^^」

 

と返され、まぁ確かにその方がいいと思うので僕のふっと沸いたセコい策略はそこでついえた

 

 

朝、出勤の時間を少し遅らせてもらい、告別式に参加したが本当に焼香をしてそのまま解散という感じで五分くらいで終わってしまった

 

なんていうかファストフードっていうかドライブスルーみたいな感じだ

 

一緒に参列した知り合いが

 

「葬式もこれからどんどん簡略化してくと思う」

 

と言っていた

 

確かに、コロナ禍などで一度こういう前例ができてしまえばそれに続いてこれからどんどん無駄が見直され、大きく変わっていく可能性は高いだろう

 

 

コロナが招いた混乱は良くも悪くも、いろいろな所に波及しているのだなと思った